【オールド・パー】

「150歳以上生きたとされるイギリス人」が描かれたラベルを持つスコッチ・ウィスキー。

 描かれた人物であるトマス・パーは80歳になって結婚し子供を。さらに105歳のときにある女性と不義の子をもうけ教会で懺悔させられ、122歳のときに再婚。

 この長寿は当時から有名になり、有名画家ルーベンスも彼の人物画を書いているという。

 生きた年代は1483-1635年。

 因みに、彼の検死は血液循環の発見で有名なハーヴェイが行っている。それはこの老人が長寿で有名になって、当時の国王チャールズ1世にこの老人が拝謁し、この国王の侍医がハーヴェイだったからだ。

 そして、このスコッチの成熟度を表すために、この老人の名前が付けられたようだ。
 スコットランドの風土がもたらす様々な特徴を持った原酒をバランスよくブレンドしたスコッチで、フルーツのような甘い香りと、まろやかな口当たりが特徴。

  こちらの写真はオールド・パーのシルバーで、ソーダで割ることを想定してブレンドされ、キレの良い後味ととともに、かすかにスモーキーな余韻を残す(個人的にはロックでだんだん水割りにすることがオススメ)。

 吉田茂が愛飲していて、田中角栄が佐藤栄作の紹介を得て初めて吉田茂邸を訪問した際、オールド・パーをススメられ、田中角栄も吉田茂に対しての尊敬を込めて愛飲したとも言う。
 もともとは19世紀初め、ロンドンで人気を博した商品だったが、1980年代には輸出専門のスコッチとなってしまい、オールドパーはなんとイギリスでは消費されてない。 スコッチ・ウイスキーはイギリスにとって5輸出品目の一つであり、スコッチ・ウイスキーのうちイギリス国内で消費されるのは1割に満たない現状を垣間見たようだ。
 Old Parr Sliver :Blended Scotch Whisky Chill Filtered Extra Smooth Distilled and Bottled in Scotland
In years past, during a notorious Scottish winter, legend has it that some barrels of rare premium Scotch were left outside in the cold and often snowy weather, by mistake.
To some, the resulting super chilled liquid tasted somehow smoother.Some say it was an accident, some say it was destiny. Inspired by this we have created OLD PARR SILVER,Chill filtered to -6℃ degrees. The result is a smooth Blended Scotch Wisky that is perfect for drinking on every occation., whether it is out with friends, a BBQ at the weekend or just partying with family and friends.
Old Parr :A man who lived in the reign of 10 English Sovereigns, is interred at Westminster Abbey.

『グレンリベット(THE GLENLIVET) ファウンダーズ リザーブ』

 イギリスのスコットランドで最古の政府公認の蒸留所からつくられる『グレンリベット』。スコットランドのウイスキーである「スコッチ」の歴史はここから始まったといっても過言ではありません。

 当時スコットランドでは重い酒税がかけられていました。それだけ多くのスコットランドの人がお酒を飲んでいて、税収源となったということでしょう。 お酒に重い税がかかったという事は一方で、密造酒が多く作られるきっかけにもなりました。

 その密造酒の中でも質の高いお酒であった『グレンリベット』は、イギリスの国王ジョージ4世も愛飲するほどでした。しかし、さすがに国王が密造酒を飲んでいるという事は世間体が良くなく、1823年に『グレンリベット』を正式なお酒とすべく酒税を改正することに側近が作用してなりました。

 そこからスコットランドで飲まれていてるお酒は半分以上密造酒と言われていた状況が、一気に政府公認の蒸留所が増えていき密造酒が激減され、「スコッチ」の本格的な歴史が始まったのです。そんな歴史的な『グレンリベット』の「ファウンダ―ズリザーブ」を今回飲みました。

「ファウンダーズリザーブ」は、今まで時間を経たバーボン樽を使っていたものを、作られたばかりのバーボン樽を敢えて使用することで、「強い甘みとバニラ感、そして元来のシトラス、フルーティ感を同居させることに成功しました」(※1)。
こんなにすっきりしているのに香りが豊かなウィスキーは初めて飲みました。スコッチを飲むなら、まずは『グレンリベット』かもしれません。

※1…https://www.barrel365.com/theglenlivet/ 参照


【※「グレンリベット」のボトルに書かれた説明書き】1824年、グレンリベットの遠く離れた自然豊かな場所に、ジョージ・スミスは蒸留所を設立しました。ここで、彼は決定的なシングルモルトウイスキー製造の条件を見つけました。現代の忙しさを忘れさせる程静かな原生の谷は、氷のような水が流れるリベット河があります。リベットはゲール語で「滑らかに流れるもの」で、グレンリベットの美しく豊かでエレガントなイメージを反映しています。
Simgle malt scotch whiskyFounder’s reserveEST D. 1824In 1824 Geoge Smith established his distilleryin the remote and wild location of Glenlivet.Here, he found the perfect conditions to craft the definitive simgle malt whisky.Through this timeless, primeval valley run the icy waters of the river livet.Its name, “smoothe flowing one” in gaelic, reflects the Glenlivet’s beautifully rich and elegant Flavours.

イギリスではなくアイルランドなので番外編で!

【アイリッシュ・コーヒー】

 アイリッシュ・ウイスキー※1をベースとする温かいタイプのカクテル。

 まだ暖房もろくに効かなかった時代の飛行機の給油の待ち時間に、体を温めてもらおうという気遣いから生まれたカクテル。

 まだ乗客航空機が運用し始められたばかりの時代は、アメリカからイギリスへ大西洋を横断して渡る際も、アイルランドなど何度か水上に着陸して給油しなくてはいけなかった。しかも、給油中は安全のためにボートで一時陸上待機しなくてはいけない。ただでさへ当時の技術では飛行機の中の暖房の効きが悪く寒いのに、ボートで寒い水上を移動して待機しなくてはならないという状況だった。そこで陸上待機しているときに体を温めて貰おうという心遣いから、体温まるアイリッシュ・ウイスキーをベースとしたアイリッシュ・コーヒーが考案されたとか※2。

 基本的には、グラスにホットコーヒーを注ぎ、砂糖をいれて、アイリッシュ・ウイスキーを注ぎ混ぜ、生クリームをフロートさせ完成※3。

※1:アイリッシュ・ウイスキー…アイルランドの穀物によって作られたウイスキー。アイルランドは年間の気温差が小さく、冷涼で程よい湿度があるアイルランドの気候はウイスキーの製造に適している。
※2:1920年代に大西洋単独飛行を世界で初めて達成したリンドバーグの顧問などを経て、1937年北太平洋と大西洋の乗客航空機の運用を「パン・アメリカン航空」が始め、大西洋路の給油ポイントであったアイルランド南西部フォインズのパブにおいて1942年に創案。
※3…写真は京成立石駅近くのお洒落なジャズの雰囲気を持った「やまもと珈琲」でアイリッシュ・コーヒーを飲んだ際に撮ったもの。甘すぎず程よく体が温まる。
※基本的にWikipedia参照Posted in イギリスミートセラピー

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